投資信託

ベトナム投資信託(ベトナムファンド)を始める前に

 ベトナム投資信託の投資を始めるにあたって、まずはベトナムについてある程度の知識はもっていた方が良いと思います。
 ベトナムのGDP成長率は2005年には8.4%と、アジアでもトップクラスの高い成長率です。国名は ベトナム社会主義共和国、面積は 32万9,241平方km、人口は約8,312万人(2005年末)で首都はハノイです。 通貨は ドン(Dong)で、 為替レートは 2007年2月現在では1ドル≒16,044ドンです。
 ベトナムは原油輸出国で、石油が最大の輸出品目です。対外貿易も拡大しつつあり、国営企業の株式化(民営化)で飛躍してきています。2007年1月11日、ベトナムは世界貿易機関(WTO)に150番目の加盟国として正式に加わりました。ベトナムはWTOへの加盟によってさらに発展すると思われます。
 BRICs(ブリックスと言い、ブラジル・ロシア・インド・中国を指します)という新興国への投資が近年では注目を集めてきましたが、それにひき続き、ベトナムの株式市場は次第に人気が高まってきています。そこで、ベトナム投資信託(ベトナムファンド)が、話題になっているというわけです。

ベトナムの政治情勢

 ベトナム投資信託を始める前にベトナムの経済情勢について知っておきましょう。
 2006年11月に発表された国際協力銀行の『わが国製造企業の海外事業展開に関する調査報告』によれば、日本企業が今後3年間の中期的に見て有望な事業の展開先として挙げた国では、ベトナムが第3位にランクされています。このことから、日本企業からも注目されている国ということがわかります。
 また、ベトナム株が注目を受けるようになった理由はベトナム経済が活性化してきているからで、最も大きな理由のひとつには中国の人件費高騰によって生産拠点がベトナムへと移動してきたことが挙げられます。中国は現在、発展が著しく、これまでの中国株の高騰は周知の通りですが、そうした中国の経済成長の過程をベトナムがまさに追っているという状況のようです。
 さらに、ベトナムは海洋石油・ガスを中心として極めて豊富な天然資源を保有しており、新興国の経済発展により資源価格が大きく上昇していることがベトナムにとってはさらなる追い風となっています。そこで、ベトナム投資信託(ベトナムファンド)にも注目が集まっているというわけです。

ベトナム投資信託のメリットとリスク

 ベトナム投資信託のメリットとしては、個人投資家がベトナム株式市場というまだ未成熟な市場へ直接投資するには、投資対象や売買タイミングを見極める高度な知識が必要となり取引が簡単ではないといえます。上場株に関しても、流動性リスクが高く、情報開示も十分ではないため、個人での株取引には高度な知識や技術を要するでしょう。ベトナム投資信託(ベトナムファンド)ではそれらの難しさやリスクを専門家(ファンドマネージャー)が補って運用してくれますので、個人の力不足をカバーしてくれます。
 次に、ベトナム投資信託のリスクです。新興国といえばBRICs(ブリックス)が人気ですが、ブラジル・ロシア・インド・中国よりもベトナムははるかに新しい市場で、まだ成熟していない部分が多くあり、新興国に投資をするということでの特有のリスク(カントリーリスクや高い流動性リスク、為替変動リスクなど)があるということに注意しておかなければなりません。 また、ベトナム株ファンド(ベトナム投資信託)では成長性を期待できる反面、ハイリスク投資であることを認識することが大事だと思います。